藤岡拓太郎 石油危機の中、不安はたくさんあるけれど忘れちゃならないと思うのは、こうなる過程ですでに人間が殺されているということ。たとえば2月28日、イスラエルとアメリカがイランの小学校に爆弾を落とし、児童を含む160人以上を殺した。多くの人が、そんなことはもう忘れてしまったみたいだ。どうしていつもこうなんだろう? シンプルに「知らない」からなのだと思う。イランのことを知らない。イランに生きる人びとのことを何も知らない。イとラとンの、カタカナ3文字でしかない。 自分は映画だけは無駄にたくさん観てきたから、イランの映画もいくつか観たことがあった。マジッド・マジディ監督の『運動靴と赤